公園でのキャンプ
タイトル:公園でのキャンプ
ハンドルネーム:バレルさん
友人から聞いた話。
この話は小学生の時にあった話です。
地域の子供会で公園でキャンプをすることになりました。
その公園は川に近く、とても広い公園でした。
朝から集まって川で釣りをしたり、遊具で遊んだり、キックベースなどをして友達みんなと楽しく遊んでいました。
夜になると川で釣った魚や買ってきた肉でバーベキューをして、とても良い思い出作りができました。
そして、就寝の時間になり、テントで寝ることになりました。
テントは子供と大人で分かれており、俺は友達2人と寝ることになり、今日の話や学校での話をして寝れずにいました。
『そろそろ寝よーぜ。』とAが言ってきて、俺は「眠いしな、さっさと寝よ。」と寝る準備をし始めました。
すると、Bが『なぁ、寝る前にトイレに行かね?』と言ってきたので、Aと俺は賛成して、トイレに行こうとなりました。
ですが、テントの外で何か音がしたのです。
最初は大人が見に来たのかと思いましたが、明らかに様子がおかしいのです。
歩く音ではなく、何かを引きずっているような音がザッザーザッザーと聞こえるのです。
『なんだろう?動物?えっ、熊とか?』とAが言います。
田舎ですので、なんらかの動物が出たのだろうと思い込むのは無理はないのですが、好奇心があり、なおかつ熊を見る機会があまりないので、覗いてみるか?となり、テントのジッパーを少し開け、見ることにしました。
ですが、そこにいたのは熊ではありませんでした。
B『え…?あれって人じゃない?』
A『人だよな、酔っぱらった誰かの親じゃね?熊じゃねぇのかよ。』
俺「なぁ、あの人の格好おかしくね?」
その音を出していたのは人でしたが、格好がなんというか、軍服を着た人がほふく前進をしていたのです。
初めは誰かの親だと思いましたが、一瞬で鳥肌が立ち、すぐに寝袋に潜り、目をつぶりました。
俺「あれ、ヤバいやつだよな、幽霊だよな。」
A『見ちゃった…、見ちゃったよ…、大丈夫かな…』
B『でも確かめたいけど…、怖いよ…、どうしよう連れていかれたら…』
と3人であれをどうするか話している時もザッザーザッザーと這う音が聞こえてきます。
3人で怖い怖いと思いながら、気付くと朝になっていました。
どうやら3人とも寝ていたようで、起きてすぐに他の友達や大人に昨日の話をしました。
友達は怖い話が聞けてテンションが上がっていましたが、大人達は夢だろ?と聞く耳を持ちませんでした。
数日後、キャンプをした時の写真が各家庭に届けられました。
写真を見ながら、楽しかったなぁと思い出していると、Cの親父さんが家に訪ねてきました。
何を話していたのかは分かりませんが、俺の親父が持っていた写真をCの親父さんに渡していました。
俺は親父に「なんかしたの?」と聞くと、親父は『あぁ、この前のキャンプの写真に家族写真が紛れてて、返してほしいって来たんだよ。』と言いました。
そんな写真あったかな?と思いましたが、気にせずにいました。
次の日に友達と神社に遊びに行くと、大人達がいました。
何してんだろう?と思い行ってみると、Cの親父さんが『今忙しいから、学校で遊びなさい。』と言います。
ですが、さすがは子供、気になってしまったら聞くまで駄々をこねます。
すると、Cの親父さんが『これ見てみろ。』と写真を渡してきました。
それはキャンプの時の集合写真。
そこには俺や友達が写っていましたが、明らかに一つおかしなものが写っており、それを見た瞬間思い出しました。
あの時のほふく前進していた人が半透明で写っていたのです。
Cの親父さんはその写真に気付き、各家庭から写真を集めて、除霊するために神社に来たと言います。
『絶対に言うなよ?あと忘れなさい。』と言われ、この話はここで終わりになりました。
その公園は今でもあります。
まだ彷徨っているのでしょうか…
この話の補足説明になるか分かりませんが、自分が地元の老人ホームのお婆ちゃんから聞かされた話です。
昔、その公園の近くの川では、向こう岸に行くために船を使っていたそうです。
ですが、その川は大きな川で波も荒く、水難事故が相次いだのだとか…
今となっては橋ができたので、水難事故はなくなりましたが、その水難事故にあった方が助けを求めて彷徨っているのではないかと自分は思うのです。
その時のお婆ちゃんの涙ながらに語る様子は今でも忘れられません。
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