🕯️はじめに:旧女鬼トンネルとは?
三重県多気郡多気町。
熊野古道伊勢路の入口にあたる女鬼峠の近くに、現在は使われていない古い道路トンネルがあります。
それが今回ご紹介する――旧女鬼トンネルです。
正式名称は「女鬼隧道」。
“女の鬼”と書く強烈な名前から、昔から様々な怖い由来が語られてきました。
「女性の罪人を処刑していた場所がある」
「トンネル工事で女性を人柱にした」
「鬼に殺された女性の霊が出る」
「入口の扉が開いていると、霊に招かれている」
ところが古い地誌を調べた三重県の資料を見ると、“女鬼”という名前の本当の成り立ちは、これらの怪談とはかなり違う可能性があります。
今回は旧女鬼トンネルに実際に足を運び、心霊の噂と史料に残る地名の由来を分けながら調べてみました。
🗺️旧女鬼トンネルの情報
旧女鬼トンネルの基礎情報
正式名称:女鬼隧道
所在地:三重県多気郡多気町
旧路線:三重県道119号松阪度会線旧道
竣工:1934年(昭和9年)
全長:約103m
幅員:約4.0m
高さ:約4.6m
役目終了:1996年(平成8年)の新女鬼トンネル開通後
現在:廃隧道。出入口に鉄製扉あり
旧女鬼トンネルの場所
旧女鬼トンネルは、新女鬼トンネルの近くに残る旧道上の廃隧道です。
1934年に完成し、1996年12月に新女鬼トンネルが開通したことで道路トンネルとしての役目を終えました。
周辺は熊野古道伊勢路の女鬼峠に近く、現在も古道歩きで訪れる人がいます。
三重県公式の熊野古道案内では、女鬼峠は伊勢路で最初に越える峠として紹介されています。
石墨千枚岩を切り通した古道には、荷車の轍跡なども残っています。
周辺情報
旧女鬼トンネルで最も興味深いのが、「女鬼」という地名の由来です。
ネットでは鬼・処刑場・人柱など、恐ろしい説が数多く語られています。
しかし三重県の調査資料では、1786年の『西国道中記』に「祠木峠」、1833年の『勢陽五鈴遺響』に「子キ峠」、1840年には「めっき峠」、1853年には「メッキ峠」といった表記が確認されています。
さらに明治期の地図には「字メキ」「字東女鬼」と記載。
これらから、もともとの「ネギ」が「メッキ」「メキ」へ変化し、明治頃に「女鬼」の漢字が当てられたのではないかと推察されています。
つまり、“女鬼”という文字を見て生まれた後世の怪談が、名前の由来として広まっていった可能性があるのです。
👻旧女鬼トンネルに纏わる噂と心霊現象
- 女性の霊が現れる。
- 女性の声が聞こえる。
- 女性の霊が手招きをしている。
- 女性にだけ憑くという噂がある。
- 昔、女性専用の処刑場があったという説がある。
- トンネル工事で女性を人柱にしたという説がある。
- 峠に鬼が住み、殺された女性の霊が出るという説がある。
- 入口の扉が開いていると、霊に招かれており不吉なことが起きる。
- 女性だけの偶数人数で行くと、帰りには奇数になるという噂もある。
※これらはネット上や心霊スポット情報で語られている噂です。処刑場や人柱、鬼に関する話を裏付ける史料は今回確認できていません。
旧女鬼トンネルでは、とにかく“女性”に関する怪談が多く見られます。
名前が「女鬼」であることが、怪談の内容に強く影響しているようにも見えます。
一方で史料上の地名変遷を見ると、鬼や女性が地名の直接の由来だった可能性は低そうです。
だからといって怪談自体が存在しないわけではありません。
「処刑場」「人柱」「女性の霊」といった話は、現在まで実際に心霊噂として語り継がれています。
事実と噂を分けたうえで、その土地に生まれた怪談として見るのが良さそうです。
📷旧女鬼トンネルに実際に行ってみた
私が訪れたのは朝方。
旧総谷トンネルを見た後、そのまま旧女鬼トンネルへ向かいました。


旧道は車が入れないようになっており、倒木なども見られました。
現在はさらに状況が変わっている可能性があります。


少し歩くと旧女鬼トンネルが見えてきました。
外観はかなり雰囲気があります。
片側はトタンのような扉で塞がれていました。


当時、反対側は扉が少し開いていました。
まさに「扉が開いていると霊に招かれている」という噂を思い出す状況です。
※この写真は過去に訪れた際の記録です。現在、閉鎖・立入禁止になっている場所には入らないでください。


内部は昼間でもかなり暗く、当時は床にブルーシートのようなものが敷かれていました。
何のためのものだったのかは分かりません。




当時の探索では女性の霊や声は確認できませんでした。
そして、入口の扉が開いていたからといって帰りに不吉なことが起こることもありませんでした。
🧪噂の真相と検証結果
今回最も大きかったのは、「女鬼」という名前の由来について史料上の説明が見つかったことです。
三重県の調査では、18~19世紀の資料に「祠木峠」「子キ峠」「めっき峠」「メッキ峠」などの表記が残っています。
そこから「ネギ→メッキ→メキ」と変化し、明治頃に「女鬼」の字が当てられた可能性が示されています。
したがって、人柱や処刑された女性が“女鬼”の語源だと断定することはできません。
ただし、それらの話は現在まで実際に心霊噂として広まっています。
私が訪れた際には、女性の霊や不吉な現象はありませんでした。
😱旧女鬼トンネルの恐怖度
旧女鬼トンネルの恐怖度
雰囲気:★★★★☆
立地:★★★☆☆
心霊現象の有無:★☆☆☆☆
過去の事故事件の有無:★☆☆☆☆
総合評価:★★★☆☆
✍️まとめ
旧女鬼トンネルは、その名前のインパクトから女性の霊、人柱、処刑場など数多くの怖い話が生まれた心霊スポットです。
しかし古い史料を追うと、「女鬼」は鬼の伝説よりも地名の音の変化から生まれた当て字である可能性が高いことが分かりました。
だからといって、長年語られてきた怪談そのものが無くなるわけではありません。
史実と怪談を分けて見てみると、むしろこの場所の面白さがよく分かります。
私が訪れた際には心霊現象は特にありませんでした。
というわけで、今回はここまで。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
それでは――お憑かれさまでした。
🔗関連する心霊スポット
三重県の心霊スポットはこちらもどうぞ。
・旧総谷トンネル
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また、女鬼峠の地名や地域に残る古い伝承をご存じの方からの情報も大歓迎です。
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コメント
『出ませんでした』って、普通に女性おりますがな。
私はその昔、このトンネルに入り、面白半分に探検。そして…ある暑い日に何者かにつき動かされ、事故に逢いました。その得体の知れない何者かは、誰か解りませんが…おおよそ見当はついています…決して行くなとは言いませんが、くれぐれも軽はずみな行動だけは控えましょう!保証はしませんよ…